春の予感(上野不動産新聞64号より)

先日、晴れた寒い日の午後、、上野公園の桜並木通りの中ほどにある沢山並んだ赤い鳥居をくぐりぬけて下って、五条天神社の大きな梅の木を訪ねました。
神社の桧皮葺きの屋根の横にろうたけた薄紅の花が一杯咲いているのを見ることができました。多分、上野公園では一番の見事な梅の花です。この神社には、他にも何本かの梅の木があり、白や、薄紅、紅色とそれぞれ違った花が競っています。
暦では立春を過ぎましたが、とても桜が咲き、草木が萌え出す春が訪れると思えない寒さが続きます。
けれども、春は間違いなくそばにきています。トントンと近づいてくる足音が聞えます。
そして、待ちかねた大好きな素晴らしい上野公園の桜の花たちに会える日は、もうまもなくです。
この新聞が皆さんの手元に届く頃にはもう公園のなかの寒桜が咲き始めているでしょうか。
毎年飽きもせず桜のことを記事に書くせいで、上野公園のいろんな桜のことに詳しくなりました。年毎に撮った桜の花の写真が沢山溜まりました。
花木の数では、他にもっと多いところがあるかも知れませんが、桜の種類の多さでは上野公園がおそらく日本一です。いろんな色や姿をした、早咲きから、遅咲きまでじつに様々な種類の桜を、1ヶ月以上長い期間楽しむことができます。
大好きな桜の花たちのそれぞれの美しい晴れ姿に、今年も次々に出会えるのが楽しみです。それを思っただけで心がわくわくしてきます。
広小路方面から公園に入る入り口の両側のオオヒガンザクラの二本の大木。大噴水の横の赤紫の花房を咲かせるカンヒガンザクラの群れ、不忍池の蓮池とボート池の間のソメイヨシノの並木。清水観音堂の南側の枝垂桜(秋色桜という名前を持つ)。両大師堂の桃色のクルマガエシノサクラ(昔天皇が乗っていた車を返して見入ったという故事にちなんだ桜)の圧倒する花雲。ボート池の岸に点々とさくカンザンという名の八重桜。これらの今年も又出会いたい桜のほかに、新しい魅力を持った花たちとの良い出合いや、発見が待っているかもそれません。
待ちどうしい心躍る今日この頃です。

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