不動産新聞64号の食味散歩記事 日本蕎麦「翁庵」

入り口の近くに囲炉裏があって、炉を囲む席に座ります。
一呼吸置いて、後ろから「お客さん食券を買ってください。」と声がかあkる。振り返ると中年の白衣を着た女性店員で、ざる蕎麦を頼むと手早く食券とおつりを返して「こっちに座って」と四人がけのテーブルに案内された。戦前からの木造の建物の店の中は、、全体が古びた暗いセピア色に染まっています。派手さや、思い上がりのない、下町出よく見かけた蕎麦屋そのものです。
四人掛けの客席が五つ置かれていて、その奥に調理場で働く人が見えています。二時過ぎのせいか二人連れの客が一組と、あとは、7人ほどの一人客がばらばらに座ってもくもむと蕎麦を食しています。
少し乗りのはげた膳に乗せてざる蕎麦が運ばれてきました。ごく薄い緑色を帯びた細めの蕎麦を一箸すくってそばつゆに浸して啜りこみます。腰のある麺がするすると喉を通ってゆきます。二箸三箸と続けて啜ります。軽い爽やかな味です。ざる一枚では物足りない気分になりました。名店なのに値段が手ごろで気取らないところがいいですね。
店は、上野警察から浅草通りを渡ったところににあります。

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です