等価交換方式のマンションのこと 不動産新聞61号より

今年の夏の暑さは異常でした。九月になっても炎暑が続き、参ってしまいましたが、ようやく終わって秋が訪れてきたようです。
秋になって、私どもが肌で感ずる台東区の不動産市況は確実に底を打ち、回復に向かいつつあります。新築マンションは新規販売がしばらく止まっていたのですが、元浅草で藤和不動産が販売を始めた高層マンションをはじめ、いくつかのマンションが新規分譲を始めています。最近は、今まであまり進出していなかった大手マンション業者の台東区の用地購入意欲が強くなっています。しかし、すぐにマンション用地で買える物件はめったにありません。等価交換などの専門の手法に明るい土地とりまとめ専門業者が、大手の依頼を受けて土地建物の所有者の人たちをとりまとめることが目立ってきました。台東区は小さな土地所有者が多いのですが、何人かが一緒になって敷地が130坪以上に纏まると大きな建物ができますので、大手の業者が共同事業に参加して建物の建設資金を負担してマンションをつくります。土地所有者は建物の建設費を負担することなく、配分される建物の専有部分と、土地の共用部分を手に入れます。等価交換という手法ですが、台東区のような狭い土地所有者の多い地域では所有者にとっても、開発業者にとってもメリットのある開発の方法です。
10坪前後の敷地だと5階建くらいの建物が建ちますが、エレベーターが付けられず、しかも工事費が高く付き、年寄りには使えません。これが、等価交換だと建設費を負担しないで、大手業者の造ったマンションの部屋をもらうことができます。問題は、一定の面積の土地所有者の同意を取り付けるのが難しいところにありますが、最近は地権者の理解が高まってきているようです。私どもの親しい等価交換の取りまとめ専門業者は、台東区ですでに3ヶ所取りまとめ、大手業者に納入しています。

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